社労士を独学で目指す場合、どのくらいの勉強時間が必要なの?
独学で合格を目指すときのポイントも教えてほしい!
今回はこのようなお悩みにお答えしていきます。
- 社労士を独学で目指す場合の勉強時間
- 社労士は独学で目指せるのか
- 独学に向いている人の特徴
- 社労士独学で押さえておきたい5つのポイント
- おすすめの参考書・過去問集
社労士試験を独学で目指している方は、どのくらい勉強すれば合格できるのか気になるのではないでしょうか。
独学だと本当に合格できるのか、不安ですよね。
私は4年かけて独学で社労士試験に合格しました。
そこで今回は筆者の実体験から、独学で目指す場合の勉強時間を解説していきます。
あわせて、独学で押さえておきたいポイントやおすすめの参考書や問題集もご紹介しているので、独学で挑戦しようと考えている方はぜひ読み進めて下さい。
社労士を独学で目指す場合の勉強時間は?
独学で社労士を目指す場合、実際のところどのくらい勉強時間が必要なのか、気になりますよね
そこで一般的な勉強時間と、筆者が実際にかけた勉強時間を比べてみます。
一般的な勉強時間は1,000時間
社労士の標準的な勉強時間は、「800時間〜1,000時間」と言われています。
1年間での合格を目指すとすると、1日に必要な勉强時間は次のとおり。
1,000時間÷365日=2.73時間
つまり、1日3時間程度勉強すれば、社労士は合格できる計算です。
ちなみに、他の国家資格と学習時間の目安を比べみると、
- 司法書士 3,000時間
- 税理士 2,000時間
- 宅建士 300〜400時間
司法書士や税理士と比べると、社労士は決して難しくはありません。
実際に私が合格までかかった時間は4年
筆者が独学で社労士試験に合格するまでにかかった期間は「4年」。
平日は1日に2時間、休日は1日に4時間程度勉強していたので、かけた勉強時間はトータルで3400時間以上。
な、ながすぎ!(笑)
しかし勉強をはじめた2年間ほどはだらだらと勉強していたので、本格的に勉強したのは2年です。なので、実際のところは「2,000時間」程度です。
このように独学で勉強をする場合、そうとうな勉強時間が必要になります。
なぜなら、独学はモチベーションの維持が難しいから。
私は勉強をはじめたころは「合格できるわけがない」と心のどこかで思っていたので、思うように勉強に身が入りませんでした。
しかし、「絶対に合格するのだ!」と決意した年には合格ラインには達したので、覚悟があれば独学でも十分に合格を目指せます。
社労士は1年で合格できる人もいるが難しい
社労士は1年で合格できる人もいますが、独学であればそうとう難しくなります。
なぜなら、独学はスケジュールどおり勉強を進めるのが難しいから。
予備校や通信講座を受講している方であれば、あらかじめ講師が合格に最適なスケジュールを組んでいます。
そのカリキュラムに沿って勉強を進めていけば、合格圏内に達するでしょう。
しかし、独学の場合は自分で学習スケジュールを決める必要があります。
決めたスケジュールが合っていればよいのですが、間違っている場合もあるでしょう。
なにより正しいスケジュールなのかどうか、判断できない点が独学の難しいところです。
社労士試験は試験範囲がとても広いので、スケジュール通りいかに勉強を進めていくかが、合格のカギとなります。
もちろん、独学でも1年間勉強して合格できる人もいますが、それはごく一部の方のみ。
大半の方は通信講座や予備校を受講し数年かけて合格しているのが、実際のところです。
社労士は独学で合格を目指せるの?
筆者の経験から、社労士は独学で合格できます。
しかし、独学の道はそうとう厳しい道のりであることを理解しておくべきです。
社労士の合格率は6%と低い
社労士試験の合格率は例年6%前後と低いのが特徴です。
10人に1人受かるか受からないか程度なので、簡単に合格できる試験ではないことがお分かりいただけると思います。
なぜこれほどまでに合格率が低いのかというと、社労士試験は「社会人が受験するから」。
先述したように試験に合格するためには、毎日3時間程度勉強しなければなりません。
忙しい社会人が、3時間もの勉強時間を毎日確保するのはそう簡単なことではないでしょう。
仕事だけでなく家事、育児もあるので勉強時間を確保するのは本当に大変でした。
勉強不足などの理由から社労士の合格率は一桁と、大変低くなっています。
独学で合格できなくはないが難易度が高い
社労士試験を独学で受験する場合、難易度はそうとう高くなります。
なぜなら、社労士試験は覚えることが多く、それも細かい数字まで覚える必要があるためです。
さらに科目数も多く、法改正も頻繁に行われます。
予備校や通信講座であれば法改正などのフォロー体制があるのですが、独学の場合自ら情報を得なければなりません。
情報を得るだけでも時間が必要ですし、すべての情報をキャッチするのは難しいです。
試験内容を暗記するだけでも大変なのに、法改正までしっかり対応できる人はそういないでしょう。
試験範囲の広さと法改正の対応から、独学で合格するのは簡単なことではないといえます。
独学に向いている人
ここまで社労士試験の独学が、いかに難しいか説明してきました。
しかし、金銭面などの理由から独学で合格目指したい方も多いと思います。
実際に私も独学で目指したかったので、頑張りました!
そこで、実体験で感じた独学に向いてい人の特徴をご紹介します。
独学で合格した私が考える「独学に向いている人」は次の3つのタイプ。
- 時間がある人
- 自分のことを自分で管理できる人
- 年金や労務管理の知識を持っている人
順番に解説していきますね。
① 時間がある人
時間に余裕がある人は、独学向きです。
独学は予備校や通信講座と比べてどうしても効率が悪くなるので、時間がある人向きになります。
「今後に活かせればいいな〜」というくらいゆるい感じで目指すのであれば、独学でOK。
反対に「転職を今スグにでもしたい」「会社の上司から取得を促されている」など急いで取得する理由が明確な場合は、独学はオススメできません。
② 自分のことを自分で管理できる人
自分のことを自分でしっかり管理できる人は、独学でも合格を目指せます。
社労士試験に合格するためには、毎日勉強する時間を確保しなければなりません。
残業や飲み会などに時間を費やしていては、いつまでたっても合格できないでしょう。
仕事は就業時間に終わらせられるように段取り良く、飲み会は必要最低限だけ。
勉強時間を確保するために自分のことをコントロールできる人は、独学がオススメです。
予備校や通信講座を受講しても、勉強時間を確保しない人は結局合格できません。
自分を律することが得意であれば、独学でも合格を狙えます。
年金や労務管理の知識を持っている人
社労士は年金や労務管理の専門家なので、試験内容も年金や労務の知識が問われます。
そのため年金や労務管理の知識をすでに持っている人は、独学でも合格を狙えるでしょう。
例えば、「企業の人事課」や「社労士事務所」に勤務している人。
年金や労務管理に実際に携わっているのであれば、テキストに載っている用語も理解しやすく、経験した内容も多いでしょう。
私も企業の人事課に勤務していました!
雇用保険や社会保険の手続きに携わっていたので、理解しやすかったです。
すでに試験に関係する知識を持っているのであれば、独学でも十分に合格できます。
社労士独学で押さえておきたい5つのポイント
つづいて独学で社労士試験の突破を目指す場合に、押さえておきたいポイントをご紹介します。
ポイントは次の5つ。
- 学習スケジュールを立てる
- 過去問は完璧に仕上げる
- テキスト読みは10回転以上
- 厚生労働白書に毎日目を通す
- 直前模試を一度は受験する
① 学習スケジュールを立てる
試験範囲がとても広いので、学習スケジュールを立てましょう。
スケジュールを決めておくと学習を進めやすくなりますし、試験までに勉強を間に合わせられます。
学習スケジュールを立てるときはきっちりと決めるのではなく、大まかに決めるのがポイント。
あまりにきっちりとしたスケジュールを立ててしまうと、達成できなかったときにモチベーションが下がるのでおすすめしません。
私は以下のようなスケジュールを立てていました。
- 8月〜9月 参考書を全体的にざっと読み、全体像を把握
- 10月〜11月 労働基準法・労働安全衛生法
- 12月 労働者災害補償保険・雇用保険
- 1月〜2月 労働保険の保険料の徴収等に・健康保険法
- 3月〜4月 国民年金法・厚生年金保険法
- 5月〜6月 一般的常識対策・各科目のテキスト読み込み
上記のようにおおまかなスケジュールでいいので、「何月までにこの科目をマスターする」と決めておきましょう。
過去問は完璧に仕上げる
過去問は100%の正解率を目指しましょう。
なぜなら、社労士試験は過去問の焼き直しが多いから。
近年の試験では、過去問が内容も変えずそのまま出題されるケースは少ないのですが、それでもベースは過去問です。
過去問と似たような問題が出題されるので、過去問対策はしっかり行いましょう。
また、過去問を解いていると「ここが試験に出題されやすいのだな」というポイントが掴めてきます。
頻出箇所を理解できると重点的に勉強する箇所が分かるので、効率よく勉強を進められますね!
ちなみに過去問は10年分がオススメ。
5年だとカバーしきれませんし、反対に20年度と情報が古すぎです。
過去問を選ぶときは「10年」分を選びましょう。
過去問を完璧に仕上げると、合格に必要な知識はほぼついてるといっても過言ではありません。
テキストは10回転以上回す
テキストは全科目10回以上回すことがポイントです。
なぜかとういと、最近の社労士試験は過去問だけでは合格できないため。
以前の社労士試験は過去問さえ勉強していれば、合格できました。
しかし近年は過去問がそのまま出題されるケースは少ないですし、問題も長文化傾向になっています。
合格するためには過去問に加え、プラスアルファの知識が必要とされています。
実際に私もテキストをしっかり読み込んでいたので、試験に合格できました。
過去問だけの知識では合格できないと断言できます。
テキストを読み込むことを軽視していると、試験には合格できません。
「この用語は何ページあたりに書いてあった」と暗記するほど、テキストを読み込みましょう。
厚生労働白書に毎日目を通す
独学での勉強で最も大変なのこと。それは「一般常識対策」です。
社労士の一般常識とは、次の2つの科目を指します。
- 労務管理その他労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
なぜ一般常識対策がやっかいなのかというと、試験範囲が広くどこから出題されるのか分からないから。
上記の一般常識科目にはたくさんの法律があります。
例えば、「労働者派遣法」「男女雇用機会均等法」「育児介護休業法」など。
恐ろしい数の法律が存在しています。
それらの法律に加え、時事問題も出題されます。
過去問だけで対策できず、多くの受験生が苦戦している科目となっています。
それではどのように一般常識対策をすればよいのでしょうか。
それは、「厚生労働白書」に目を通すこと。
「厚生労働白書」というものを厚生労働省が毎年発表しています。
厚生労働白書に掲載されている内容から問題として出題されるケースが多いので、厚生労働白書を読み込みましょう。
ただし厚生労働白書は500ページ以上と、膨大なページ数になっているので注意が必要です。
1日2日で読めるものではないので、1年を通して少しずつ時間があるときに目を通していきましょう。
直前模試を一度は受験する
独学の方でも通信講座や予備校が実施する「直前模試」を一回は受験しましょう。
直前模試を受けると、試験本番の雰囲気や時間配分の間隔が掴めるメリットがあります。
試験は長時間なので、想像以上にハードです。
事前に受けておくと大体のペースが理解できて焦ることなく試験に望めるでしょう。
また、直前模試を受けると現在の理解度をチェックできるメリットもあります。
直前模試の時期は6月(本番の2ヶ月前)ごろがオススメ。
最後の追い込みには自分の立ち位置を理解することが重要なので、独学の方でも直前模試は受けるべきです。
とはいえ通信講座の直前模試を受けるのは少し大げさだなと感じる方もいるでしょう。そんな方は問題集で対策するのも1つの方法です。
社労士独学におすすめの参考書・過去問
独学におすすめの参考書・過去問集を紹介します。
実際に私が使用したものをご紹介します!
社労士独学におすすめの参考書(テキスト)
まずは参考書。私がおすすめする参考書は、「ユーキャンの速習レッスン」です。
ユーキャンの速習レッスンの良いとろこは、初学者でも理解しやすい点。
ユーキャンの社労士講座の受験生は「約79%」が初めて試験を受ける人なので、初学者にも理解しやすい作りになっていのが特徴です。
実際にテキストの内容は充実していて、これなら合格できそうと思えるほどの充実度です。
特に欄外の補足説明が◎。
細かい字なので見えづらいデメリットもありますが、合格に必要な知識はすべて掲載されています。
また、テキストは赤黒の2色刷りであるため、見やすいのも魅力。
個人的にはフルカラーのテキストが苦手なので、シンプルなテキストが嬉しかったです。
法改正情報もHPで公開されているため、独学でも最新の情報をキャッチできる安心感も嬉しいポイントです。
これ一冊で私は合格できたので、テキスト選びに迷う方はユーキャンを選べば間違いありません。
社労士独学におすすめの過去問
おすすめの過去問は「TACの過去問」です。
社労士のテキストといえば「TAC」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
実際に試験会場でもTACのテキストや過去問を開いている人がたくさんいました。
TACの過去問の特徴は、過去10年分の試験問題を収録していること。
試験の傾向もバッチリつかめます。
そして、問題の解説が分かりやすい点も魅力。
正解の理由・不正解の理由をしっかり理解できるので、着実に力をつけられます。
テキストは以下の4つに分かれています。
労働基準法・安全衛生法・労働者災害補償保険法- 雇用保険法・徴収法・労務管理その他労働に関する一般常識
- 健康保険法・社会保険に関する一般常識
- 国民年金法・厚生年金保険法
各科目しっかり対応できるボリュームなので、試験に必要な知識はすべてカバーできるでしょう。
社労士の過去問といえばTACなので、これを選んでおけば間違いありませんね!
社労士に最短・短期間で合格するには通信講座を受講する
短期間での合格を目指すのであれば、通信講座を受講しましょう。
独学は自己流の勉強法になるので、どうしても効率が悪くなってしまいます。
また、独学の最大のメリットといえば、コストを節約できる点ですが、毎年テキストを買い直す必要があるので、結果的に通信講座を受けた場合と値段が変わらないこともあります。
なにより時間は貴重です。
転職や独立開業を目指しているのであれば、さくっと資格を取得して社労士人生をスタートさせるべき。
社労士資格の取得はあくまでもスタートであって、ゴールではありません。
プロの力を利用して、短期間での合格を目指しましょう。
おすすめの社労士通信講座については、下記の記事でご紹介しているのでご覧ください。
社労士独学の勉強時間は?実際に社労士試験に独学で合格した私が徹底解説します!まとめ
今回は社労士独学の勉強時間についてまとめました。
記事をまとめると、
- 社労士の標準的な勉強時間は「1,000時間」。
- 実際に私が合格までに必要とした勉強時間は「2,000時間」以上。
- 社労士は独学では無理ではないが、ほぼ不可能。
- 独学よりも通信講座でサクッと合格するのがオススメ。
独学で社労士試験の合格を目指したい気持ちも十分にわかりますが、難易度からいうとやはりプロの力を借りるべきです。
苦しい勉強は早めに終えて、次のステージへと進みましょう!